避難所での感染症対策は厚生労働省でまとめられているが、既存の感染症対策にならう対策が多く、今回のような新型や今までの感染症でも比較的重度な感染症には対応できないように思える。
インフルは手洗いうがい、栄養、睡眠が基本でも新型コロナではある潜伏期間がそんざいしている。10日だとすれば、10日で倍数ゲーム的に増加して、クラスターになる。
そもそも、避難所は全員を受け入れられるキャパはなく、災害弱者が中心になる。となれば、倍数ゲームどころではない可能性もある。
一定の距離と感染の可能性によるトリアージが重要に思えてくるが、避難所は開設初期の段階から検温ができるだろうか。
自治体の危機管理状況をみれば、専門家はおらず、国や県のガイドラインのままで、地域独自の追加対応などは一切みられない。これはどのガイドラインでもおなじである。今回のことも国や県が示さなければ、対応されないであろう。
2000年頃に地方自治方が改正され、権限移譲がなされたが、実際には運用は事務行為のみ実施され、その他の管理などはほぼ放置であろう。
よい例が、林野庁の伐採届けである。
自家発電によりソーラーパネル事業ブームで山林が伐採され、急傾斜値や地すべり指定地にもできてしまった。一方、行政や地域住民の力による対応により茨城県のある市では協議も踏まえ、適切な行政手法での解決がなされた。本来は住民の意思とは関係なく、性善説にたたない対応が求められる部分である。
このように考えると、今の避難所設営には行政が適切かつ迅速に対応できるとは考えにくい。新型コロナは避難スペースではなく、避難空間を個別化しなければ対応できない。
一方、これから本格的な梅雨になるわけだが、新型コロナ対応がなされた自治体があらわれた。鹿児島県内のある町である。テントを活用して空間規制を行う対応を準備したのである。条例に定めがなければ、規則の改定や独自に実施が可能であるが、法や条例があるとそれにならい簡単にできないというのが通例になる。
しかし、条例や規則も関係なく、さらには新型コロナでは実施した自治体がいるのだから、いいわけらできない。
一方、住民参加型の避難所設営も次第に増えつつある。こうなると、より専門的なことには関知できなくなるため、行政の真価が問われることになる。
備えは、いつでも、だれでも可能である。
災害は忘れた頃にやってくるともいわれるが、人間には知恵が備わるはずで、それをいかすこともできる。
避難所を感染症とセットで早く見直すことが行政や管理者の最大限の住民対応かもしれない。こんな時、国は備えが早い。
【参考】
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00142/00736/